今日はこれまでにも何度かこのブログで取り上げたピアニスト、ベラ・ダヴィドヴィチについて詳しく書きたいと思います。
ベラ・ダヴィドヴィチは1928年7月16日生まれのピアニストで、アゼルバイジャン共和国の首都バクーで生まれました。幼少のころより才能を発揮し、バクーの音楽院を経てモスクワ音楽院でコンスタンチン・イグムノフやヤコフ・フリエールといった名ピアニストに師事しました。
モスクワ音楽院在学中の1949年、ポーランドで行われたショパン国際ピアノコンクールで6歳年長のハリーナ・チェルニー=ステファンスカとともに優勝を分け合いました。これによって彼女の名は広く知られるようになり、レニングラード・フィルの定期に28年間連続で招かれたことでも彼女のピアニストとしての力量をうかがい知ることができます。
彼女は当時の新進ヴァイオリニストであった、ユリアン・シトコヴェツキーと結婚しましたが、夫が37歳の若さで他界した後は、子息ドミトリを育てながら、モスクワ音楽院の教授を務めました。ドミトリは父と同じヴァイオリンの道を選び、後にアメリカのジュリアードで、キョンファ・チョンらを育てた名教師、イヴァン・ガラミアン教授に師事することになりました。
ベラ・ダヴィドヴィチは1978年息子を追ってアメリカに渡るのですが、当時のソヴィエトはグラスノスチ、ペレストロイカ以前の厳しい体制でしたから、出国のために大変な苦労を強いられたことは想像に難くありません。ようやく出国が認められても、愛用のベヒシュタインではなくソ連製のピアノを持っていくように強要されたり、楽譜の国外への持ち出しを制限されたりと多くの困難があったようです。後年、友人の力添えでカナダに持ち出すことができたベヒシュタインと無事再会を果たしたこと、ユダヤ人であるという理由でモスクワ音楽院に教授として迎えられるのには時間がかかったものの、しかしそのおかげで幸運にも出国を許されたことを明らかにしています。
アメリカに居を構えたダヴィドヴィチは今度は「ピアノの音がうるさい」との近所からの苦情に悩まされましたが、デビュー後その名が知られるようになってからは「家にいてあなたの演奏を聞きたいので、予め練習時間を教えて欲しい」とドアの下にメモが差し込まれるなど、次第に周辺の住民の態度が変化したことをあるインタビュー記事で告白していました。後に彼女はジュリアード音楽院で教鞭をとるようになり、ヴェルビエ音楽祭を始め世界各地でマスタークラスを開くなど現在でも勢力的に活躍しています。2007年にはエリザベート王妃国際音楽コンクールで審査員を務め、2010年に開催予定のショパン国際ピアノコンクールの審査員にも名を連ねています。
現在は80歳と高齢ではありますが、最近入手した彼女の誕生日の記念に録音したメンデルスゾーンのピアノ協奏曲を聴いても、みずみずしく潤いに溢れた音は健在で、とてもすばらしい演奏でした。ボクのiPodの中にあるダヴィドヴィチの曲を紹介します。

[POLSKIE NAGRANIA PNCD 001]
ショパン:3つのエコセーズニ長調 作品72
ショパン:マズルカ第49番へ短調 作品68の4
ショパン:スケルツォ第4番ホ長調 作品54
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
録音 1949年ワルシャワ
1949年のショパン・コンクールにおけるライブ録音です。ダヴィドヴィチの演奏は以下の3曲が収録されていますが、60前近く古い録音にしてはノイズはそれほどでもなく、とても聞きやすくなっています。テンポを遅めに設定し、丁寧に歌い上げていくのが彼女のショパンの演奏スタイルですが、この頃の演奏ではそれほどゆったりとしたテンポに感じません。音はつぶが揃い、ペダルの扱いがすばらしく音がにごることがありません。他には第1回優勝のオボーリン、第2回優勝のウニンスキー、第3回優勝のザークの演奏が収録されています。

[MUSIC ONLINE]
ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 作品21
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
キリル・コンドラシン指揮 モスクワ交響楽団
録音 1951年ロシア
これはamazon.comやiTune Storeで購入できるデジタルデータですが元の音源はメロディアの同曲のものでしょう。アルバムとしては1,500円ですが、楽章ごとに購入できるので、3楽章分で450円で聴くことができます。ダヴィドヴィチのショパン以外にバシキロフ独奏のスクリャービンのピアノ協奏曲嬰へ短調が収録されています。指揮もピアノも超一流の演奏といえますが、録音年代がやや古くモノラル録音となっています。

[PHILIPS 420 389-2]
ショパン:24の前奏曲 作品28 *
ショパン:ポロネーズ第4番ハ短調 作品40の2
ショパン:序奏とロンド変ホ長調 作品16
ショパン:舟歌嬰ヘ長調 作品60
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
録音 1979年スイス */1985年スイス
ダヴィドヴィチがアメリカに移住したのは1978年でしたから、この24の前奏曲が録音されたのは移住の直後のようです。いまからちょうど30年前の録音ですが音質は決して悪くありません。TVのコマーシャルでも有名な前奏曲7番の13小節第拍の音が手元にあるパデレフスキ版などとは異なっているのが興味深いところです。多くのピアニストはショパンの演奏にはパデレフスキ版を使用することが一般的だと思っていましたが、ダヴィドヴィチはどの版を使っているのでしょうか。最近発売され、既に入手していたBRILIANTレーベルの2枚組廉価版は同音源の24の前奏曲を収録していますが、どうしても「序奏とロンド変ホ長調 作品16」「ポロネーズ第4番ハ短調 作品40の2」が聴きたくてようやくこのCDを見つけました。序奏とロンドは、ヴラディーミル・ホロヴィッツ、ダニエル・ラヴァル、ルドヴィク・ステファンスキ、ミロシュ・マギンと6種類を持っていますが、ダヴィドヴィチの演奏が抜きん出ています。ポロネーズの演奏にもとても満足しています。このCDは既に廃盤で入手が難しいので、BRILIANTレーベルから再発売されることを祈っています。

[PHILIPS 462 459-2]
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11
ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 作品21 *
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
ネヴィル・マリナー指揮 ロンドン交響楽団
録音 1980年ロンドン/1982年ロンドン *
はじめて接した彼女の演奏がこの第1協奏曲です。偶然FMで流れていたのを耳にしたのですが、それまでアルゲリッチの演奏を頻繁に聴いていたので、ダヴィドヴィチの演奏がとても新鮮に響きました。特に第1楽章のコーダ、コーダに向かう第二主題の装飾音の歌いまわし、第3楽章のテンポ設定と独特のリズム感などは今でも新鮮にボクの心をとらえます。1999年に来日したときにも第1協奏曲を演奏していましたが、以前と変わりなくすばらしい演奏を披露してくれました。この時の演奏をあまりよく思わない批評も目にしましたが、おそらくテンポの設定がゆっくりなので「テクニックが衰えた」とでも早合点したのでしょう。彼女はその前の来日でのフムーラとの競演でも同じようにゆったりしたテンポで、歌い上げるようにショパンを演奏していました。テンポはゆったりしていてもミスタッチなどはありませんし、テクニックに衰えは感じさせません。

[Newport Music Festiva UPC 789368858620]
ショパン:ノクターン第16番変ホ長調 作品55の2 (1)
ショパン:2台のピアノのためのロンドハ長調 作品73 (1,2) *
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf) (1)
ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(pf) (2)
録音 1980年ニューポート/1984年ニューポート *
アメリカ東部のロード・アイランド州のニューポートで行われているニューポート・ミュージック・フェスティバルでのライブ録音です。1998年に30周年記念として作成されたCDで、著名なピアニストのアメリカデビューの演奏などが収録されています。このCDにはダヴィドヴィチの演奏が2曲収録されています。まず1980年のこのフェスティバルで演奏されたショパンのノクターンですが、ヒスノイズが少々気になるものの、演奏自体はすばらしいもので、演奏家自身の息遣いが身近に感じられる臨場感溢れた演奏です。1984年には奇跡的な協演が実現しました。1949年のショパン国際ピアノコンクールで共に第1位を分かち合ったハリーナ・チェルニー=ステファンスカとの2台4手による演奏です。ステファンスカ女史はこの曲を夫であるルドヴィク・ステファンスキ、また日本の小林倫子とともにレコーディングしていますが、ダヴィドヴィチにとってはこの曲の録音ははじめてのことでしょう。いずれにしてもすばらしい演奏です。

[PHILIPS 410 052-2]
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品22
ベラ・ダヴィドヴィッチ(pf)
ネーメ・ヤルヴィ指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音 1981年アムステルダム
ショパンコンクール出身ということで、ショパンのスペシャリストという先入観を持ってしまいがちですが、ダヴィドヴィチはロシア出身のピアニスト。もちろんラフマニノフでも期待以上の演奏をしてくれます。彼女はすばらしいテクニックを持っていますが、それを前面に押し出すタイプのピアニストではありません。彼女の表情豊かなデュナーミク、リリシズムは何ともいえない美しさを生み出します。中でも映画などでも使用されたことある第18変奏の美しさは絶品です。サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番はセシル・リカドやパスカル・ロジェなどの演奏と比べるとテンポはゆったりとしていますが、巧みな表情付けに感心させられます。また3楽章はつぶ立ちのよい音で、一つ一つの音が濁らずに心地よく耳に届いてきます。

[PHILIPS 411 427-2]
ショパン:バラード第1番ト短調 作品23
ショパン:バラード第2番ヘ長調 作品38
ショパン:バラード第3番変イ長調 作品47
ショパン:バラード第4番ヘ短調 作品52
即興曲第1番変イ長調 作品29 *
即興曲第2番嬰へイ長調 作品36 *
即興曲第3番変ト長調 作品51 *
即興曲第4番嬰ハ短調 作品66「幻想即興曲」
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
録音 1981年イギリス/1982年スイス *
数あるバラードと即興曲の録音の中で、最も好きなのがこのダヴィドヴィチの演奏です。彼女のショパンは女性的で、アルゲリッチの演奏とは対極にあるような印象ですが、独特の魅力をたたえています。数あるバラードの録音の中で最高のものの1つです。

[PHILIPS 432 621-2]
ショパン:ピアノ協奏曲第2番へ短調 作品21 (a)
ショパン:演奏会用ロンド『クラコヴィアク』 作品14 (a)
即興曲第4番嬰ハ短調 作品66「幻想即興曲」 *
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
ネヴィル・マリナー指揮 ロンドン交響楽団 (a)
録音 1982年ロンドン/1981年ロンドン *
ショパンのピアノ協奏曲第1番に続くマリナーとの録音です。はじめて彼女を目にしたのはN響定期です。ガブリエル・フムーラとの競演での第1番の協奏曲を演奏していました。この1番がとてもすばらしかったので、ぜひ2番の協奏曲も聴いてみたいと思い、輸入盤LPを手にいれたことを思い出します。このCDには演奏会であまり取り上げられることの少ないクラコヴィアクと幻想即興曲も収録されています。

[BRILLIANT CLASSICS 93528]
DISC 1
ショパン:バラード第1番ト短調 作品23
ショパン:バラード第2番ヘ長調 作品38
ショパン:バラード第3番変イ長調 作品47
ショパン:バラード第4番ヘ短調 作品52
即興曲第1番変イ長調 作品29 *
即興曲第2番嬰へイ長調 作品36 *
即興曲第3番変ト長調 作品51 *
即興曲第4番嬰ハ短調 作品66「幻想即興曲」
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
録音 1981年イギリス/1982年スイス *
DISC 2
ショパン:24の前奏曲 作品28
ショパン:演奏会用ロンド『クラコヴィアク』 作品14 (a)
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
ネヴィル・マリナー指揮 ロンドン交響楽団 (a) *
録音 1979年スイス/1982年ロンドン *
これは2007年に発売された過去のダヴィドヴィチの演奏を2枚組にまとめた廉価版です。BRILLIANT CLASSICSは正式にライセンスを受けた音源で廉価版のCDをリリースしているオランダのレーベルです。ダヴィドヴィチのすばらしい演奏が1000円程度で聴くことができるのはとてもうれしいことです。ダヴィドヴィチはPHILIPSにシューマンの謝肉祭なども録音していましたので、それらも廉価CDとして発売されればと願っています。

[ORFEO C047-831 A]
グリーグ:ヴァイオリンソナタ第2番ト長調 作品13
グリーグ:ヴァイオリンソナタ第1番ヘ長調 作品8
グリーグ:ヴァイオリンソナタ第3番ヘ長調 作品45
ドミトリ・シトコヴェツキー(vn)
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
録音 1982年ドイツ
グリーグのヴァイオリンソナタはヴァイオリニストにとって重要なレパートリーの一つです。以前は、個人的にはあまり好きな曲ではなかったのですが、ダヴィドヴィチの演奏ならばと何度も聴いていくにつれて好きになってしまいました。特に第2番の2楽章の物悲しいメロディーが印象的です。

[PHILIPS 412-742-2]
プロコフィエフ:ピアノソナタ第3番イ短調 作品28
プロコフィエフ:小品集「ロメオとジュリエット」より 作品75 *
スクリャービン:ピアノソナタ第2番嬰ト短調「幻想」 作品19
スクリャービン:詩曲嬰ヘ長調 作品32の1
スクリャービン:詩曲ニ長調 作品32の2
スクリャービン:マズルカへ短調 作品25の3
スクリャービン:マズルカ変ト長調 作品40の1
スクリャービン:マズルカ嬰ヘ長調 作品40の2
スクリャービン:ワルツへ短調 作品38
録音 1982年スイス */1985年スイス
プロコフィエフとスクリャービンもダヴィドヴィチの得意とする作曲家です。1999年の東京でのリサイタルでもロメオとジュリエットを演奏しました。スクリャービンはロシアのショパンと呼ばれる作曲家ですが、その名の通り彼の初期の作品はショパンの影響を強く受けています。ショパンに卓越した彼女はスクリャービンでも魅力を発揮しています。

[NOVALIS NOV-8]
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第1番ト長調 作品78
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第2番イ長調 作品100
ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番ニ長調 作品108
ドミトリ・シトコヴェツキー(vn)
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf)
録音 1987年ドイツ
彼女と子息のドミトリ・シトコヴェツキーによる演奏です。1987年のデジタル録音で、ヴァイオリンもピアノの音も共に美しく、しっとりとしたブラームスです。他のブラームスの曲とカップリングされ廉価で再発売されています。

[TRITON MECC-26003]
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 作品21 (a)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30 (b)
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf) (a)
ウラディーミル・フェルツマン(pf) (b)
ミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団
録音 1992年ロシア、モスクワ音楽院大ホール
最近このCDにダヴィドヴィチが演奏するショパンの第2協奏曲が収録されていることを知りました。ダヴィドヴィチの師事したヤコフ・フリエールの記念演奏会にモスクワに招待された時のライブ録音です。ラフマニノフは同門のフェルツマンがソリストを務めました。マリナーとのスタジオ録音も好きですが、やはりライブ録音には臨場感がみなぎっており独特の魅力があります。またプレトニョフの伴奏は多くの指揮者が抑え気味に演奏する内声部を浮き立たせたりと面白い工夫がみられるのの興味深いところです。ダヴィドヴィチはこの演奏会のためにフリエール教授から教えを受けたことで思い出深いショパンの第2協奏曲を選んだとのことです。廃盤になっており入手が難しいのですが、東京都の文京区図書館に所蔵されていますので、興味がある方はぜひ聴いて下さい。

[DELOS DE3146] THE SCHUMANN EDITION-SYMPHONIES COMPLETE
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 作品54
ベラ・ダヴィドヴィッチ(pf)
ジェラルド・シュワルツ指揮 シアトル交響楽団
録音 1992年シアトル、シアトルオペラハウス
シューマン・エディションという4枚組のCDのうち3枚目に収録されています。DELOSはメジャーなレーベルではないので、なかなか情報が得られず困りました。ここでもダヴィドヴィチの演奏はすばらしいのですが、やはりアルゲリッチのシューマンとは趣を異にしています。シューマンの協奏曲ではアルゲリッチのスリリングな演奏を好んでよく聴いていますが、ダヴィドヴィチの演奏はそれとは違った魅力を持っています。攻撃的な演奏ではありませんが、ぜひ聴いていただきたいおすすめのCDです。現在はiTune SotreなどでAACなどのデジタルデータで購入することができます。しかし残念ながら2楽章のみ150円で購入できますが、1楽章と3楽章は1,500円のアルバム購入のみで楽しむことができます。

[SUPRAOHON SU 3265-2 031]
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲ハ長調 Hob.VIIa No. 1 (a)
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲ト長調 Hob.VIIa No. 4 (a)
ハイドン:ピアノ協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII No.11 (B)
ハイドン:ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII No. 6 (b, c)
ドミトリ・シトコヴェツキー(vn) (a)
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf) (b)
ヴァーツラフ・フデチェック(vn) (c)
ドミトリ・シトコヴェツキー指揮 プラハ室内フィルハーモニー管弦楽団
録音 1996年プラハ
1996年にプラハで録音されたCDですが、現在廃盤なので入手が難しいCDです。シトコヴェツキーのヴァイオリンもすばらしいですが、ダヴィドヴィチとの協奏曲では指揮を受け持っています。ハイドンのピアノ協奏曲はショパンの協奏曲と同様にアルゲリッチのものをよく聴いていましたが、ダヴィドヴィチのものもすばらしい仕上がりとなっています。彼女の音はいつも美しいのが特徴です。

[DELOS DE3382]
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番ト短調 作品25 (a,c)
ショーソン:ヴァイオリン, ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲ニ長調 作品21 (a,b,d)
ベラ・ダヴィドヴィチ(pf) (a)
ドミトリ・シトコヴェツキー(vn) (b)
コンスタンチン・オルベリアン指揮 モスクワ室内管弦楽団 (c)
ドミトリ・シトコヴェツキー指揮 モスクワ室内管弦楽団 (d)
録音 2008年ロシア、モスクワ音楽院大ホール
このCD“Jubilee”はダヴィドヴィチの80歳の誕生日の記念として、コンスタンチン・オルベリアンが企画したもので、ロシアのモスクワ音楽院大ホールで録音されました。メンデルスゾーンのト短調のピアノ協奏曲とショーソンのヴァイオリン, ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲が収められています。ト短調協奏曲はメンデルスゾーンの22歳の時の作品ですが、ダヴィドヴィチは「ト短調協奏曲は決して子供らしい曲ではなく、とても訴えかけるものを感じる」といっています。ショーソンのヴァイオリン, ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲ではドミトリ・シトコヴェツキーとの協演を楽しむことができます。誰もが知っているという曲ではありませんが、特に第2楽章の美しさは言葉ではうまく表現できないほどです。